開発者インタビュー

中野 達也
(2008年入社)
Tatsuya Nakano
リオン株式会社 開発部
補聴器はコミュニケーションを支える重要なアイテム。
聞こえに困っている方のことを常に考え、
飽くなき向上心で目指す、究極のカタチ。

プロフィール

補聴器の製造部門を経て、2011年から補聴器の開発を担当している。実際に補聴器を作っていた経験を活かし、電気回路設計の他、補聴器の仕様検討、試作検証を担当する若手のホープ。

補聴器を開発する上で、最も大事にしていることは何ですか?

私が最も大事にしていることは、補聴器の大きさです。難聴の方が少しでも快適にお使いいただけるよう、0.1㎜でも小さくなるような設計を心掛けています。補聴器そのものを小さくするためには、もちろん部品一つひとつを小さくする必要がありますが、それだけでなく、材料選定や各部品のレイアウトも重要な要素のひとつです。補聴器を構成する主な部品には、音を集めるマイク、集めた音を増幅するアンプ、増幅した音を出すイヤホンがあります。カラオケなどでマイクとスピーカーを近づけてしまって、ピーと不快な音が出た経験はありませんか?これをハウリングといいます。マイクとイヤホンを近づけると、補聴器にも同じ問題が起きてしまいます。小さな補聴器だからこそ、内部の部品のレイアウトを緻密に考えていかないと、難聴の方が本当に必要とする補聴器にはならないのです。
試行錯誤を
繰り返し、
新製品は生まれる

これまで補聴器を開発してきて、うれしかったエピソードはありますか?

私が開発を担当した補聴器が店頭に並ぶのを目にしたときや、街中でリオネット補聴器を装用してくださる方を見かけたときは嬉しいです。自分が開発した補聴器をお客様が購入してくださって、毎日の生活のお役に立っていると想像するだけでうれしくなります。また、「お客様の声」をいただいた時もうれしいです。手書きのお葉書で「補聴器のおかげでよく聞こえるようになって、毎日が楽しいです」とご報告いただくことがあります。そんなときに、ああ、この仕事をやってきてよかった!と思います。私たち開発担当者にとってお客様の声は励みになりますし、非常に貴重な瞬間だと感じています。
デスクを隣合わせている仲間とも、
頻繁に行う会議を通して
方向性を確認する

辛かった、悔しかったエピソードはありますか?

私たち開発担当者は、新製品の発売日を目標にスケジュールを立て、開発を進めています。仕事をする上で、開発期限は重要です。スケジュール通りに設計を完了させなければなりません。しかし、1つの製品の設計を完了しても、満足したことはありません。設計が完了するたびに、次の製品はもう少しここをこうしたい、という思いが湧きあがります。もちろん、次の製品の設計にはそれを可能な限り反映します。でも、また出てきてしまいます。次はここをこうしたい…。その繰り返しです。もしかしたら、開発者でいる限り、一生思い続けるかもしれません。
開発担当者の
デスクには顕微鏡が
常備されている

あったらいいな、と思う補聴器のデザインや機能は何ですか?

もっともっとデザイン性を追求して、愛着を持って楽しく装用していただけるような補聴器を目指したいです。補聴器に対して、ネガティブなイメージを持たれている方が多いと聞いています。一昔前はメガネもそのようなイメージがあったと思いますが、今はおしゃれをするためのアイテムにもなっていますので、補聴器もそうなってほしいと思っています。
しかし、デザイン性がどんなに向上したとしても、他の人に知られたくない、外から見えない方が良いというご要望も必ずあると思います。耳の中にすっぽり収まる補聴器はありますが、小型化によって操作性が犠牲になってしまいます。それならば、外から見えないほど小さいのに、操作やメンテナンスを一切しなくて良い補聴器を作りたいです。AIの進化によって、どんな音環境でも自動的に最適な設定になり、聞きたい音が明瞭に聞こえる。そして、体温による発電や、装用したままワイヤレス充電ができれば電池交換が不要になるなど、メンテナンスフリーで身体と一体になるような補聴器があったらいいと思います。